良書読書会のしおり

なんばまちライブラリーが惜しまれて閉館したため、新大阪で開催しています。初参加の方大歓迎。現在は季節ごとに開催。

日本現代文学

キリキリとゾワゾワ—吉行淳之介『闇のなかの祝祭』(1961)

私が生まれて初めて吉行淳之介に触れたのは『樹に千びきの毛蟲』だった。といっても、この題名がつけられた彼のエッセイ集の中身は未だに読んだことはない。幼少の頃、実家の本棚に並んでいた数ある背表紙の中で、この題名がいつも目に留まり続けたのを覚え…

村上春樹読書会記録 『海辺のカフカ』

М さあ始まりました!村上春樹読書会!猫先生 パフパフパフ!М 第1回は『海辺のカフカ』をお送りします。猫先生 イェーイ!М МCはわたくしМが、みなさまのお相手させていただきます。これから一時間よろしくお願いしまーす!猫先生 よっ日本一!М ではメン…

第10回良書読書会記録 津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』(6/22)

良書読書会#10 課題書:『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川文庫 発表2008→文庫化2011) 2019. 6.22@まちライブラリーなんば 発表担当:M/T《レジュメ》 ◆ 人称と視点について(ジェラール・ジュネット『物語のディスクール』(1972)による整理)人称 …

網羅への諦念が漂う博物誌 — 寺山修司『幻想図書館』(1982)

今期放送中の、幾原邦彦監督のアニメ『さらざんまい』を観ていて、「これはまるで寺山修司じゃないか!」と思ったのをきっかけに、改めて寺山修司の諸作品に興味を持ち、少しずつ入手を試み始めている。 その中の一冊、『幻想図書館』は1982年に出版されたも…

第9回良書読書会記録 吉田修一『横道世之介』(5/11)

良書読書会#9 課題書:吉田修一『横道世之介』(毎日新聞社 発表2009→文春文庫2012)2019. 5. 11@まちライブラリーなんば 発表担当:M/T 《レジュメ》 章タイトルと出来事【FF=フラッシュフォワード:1987年より先の時点での語り】 四月 世之介、上京。…

これは作者の罠なのか — 安部公房『笑う月』(1975)

安部公房は間違いなく戦後日本を代表する作家の一人だ。「ノーベル文学賞受賞寸前だった」というような世俗的なニュースもたまに流れてきたりするので、名前だけでも知っている人も多いだろう。あるいは、教科書で短編『赤い繭』(『壁』より)やエッセイ『…

はじめに

はじめまして、良書読書会です。私たちの読書会で取り上げている「良書」とは、「誰が読んでもおもしろい小説」のことです。 このブログでは、良書読書会の告知や活動報告と、メンバーが好きなもの・良いと思うものについて書いた文章を載せています。「好き…