良書読書会のしおり

なんばまちライブラリーが惜しまれて閉館したため、新大阪で開催しています。初参加の方大歓迎。現在は季節ごとに開催。

第8回良書読書会記録 唯川恵『肩ごしの恋人』(4/20)

良書読書会#8


課題書:『肩ごしの恋人』(マガジンハウス 2001)
開催:2019. 4.20 @京都御所、乾御門のへん
発表担当:shoco

《レジュメはこちら
 
 
「これは…良書…かな??」
 
 
春の陽気と言うには少し暑い日曜日
ビニールシートをひいてピクニック的に始まりました良書読書会〜!
いつも会場にしているなんばまちライブラリーを飛び出して京都に出張!の巻でした
 
 
ざっとレジュメを基に概要説明したあと
みなさんの感想文を読みながら、喋っていってもらいます。
 
良書読書会初、恋愛を扱った?小説ですが、
なんというか、ところどころに時代を感じますネ…
柿崎の描き方とかね…笑
 
描かれている時代を、今と対比出来るのは面白い
という意見も出ました。
 
印象に残ったのは、
・『肩ごしの恋人』は、"トレンディドラマ"。
・初めて聞いたぜ、アフォリズムという言葉。
・るり子がぶっ飛んでる小説じゃなくて、萌がぶっ壊れてる小説。
・上っ面な男、ほんとに嫌…シュリンプカクテルってのもなんか…→え!シュリンプカクテルってお洒落な食べ物の代表格だと!
・萌が妊娠することの気持ち悪さ。男女逆転だと大問題なのに、美しい風?に書かれている
・最後それぞれに次の世界へ踏み出す時に、萌が得るのは"子ども"でないといけなかったのか
 
あたりかしら
 
 
タイトル『肩ごしの恋人』の意味は何なんだろな。
もともと文芸誌で連載されていた時は『シュガーコート』という題名だったそう。
 
るり子も萌も、どこかお互いを意識しながら恋愛している気がします。
見るべきは目の前の恋人なのに。他の女の肩ごしに見ている。
 
とか言うてみる。
知らんけど。
 
また、取り上げた作品に対して、"これは良書じゃないんじゃないか"
という意見が読書会始まってから初めて出されたのも面白かったところです。
 
昔自分が読んで"エンターテイメント性が有った"と感じていたので候補にあげましたが、
"良書的エッセンス"は違うところにあるのだなぁ、と
 
 
などなど
今回はいつもの会と違うポイントがいくつか有りましたが、
いつもと同じく、参加者の意見が飛び交う楽しい会でした〜!
 
主催者によるクイズ答え合わせ

・『肩ごしの恋人』の「原作」は?

→これは間違いなく90年代の月9恋愛ドラマ。るり子と萌、二人の恋愛観を対比的に描き出す感じなどまさにそう。セリフがアフォリズム的なのもドラマの名セリフ的なものを意識しているからではないか。一つ挙げるなら、年下の若い男とルームシェアするという設定は北川悦吏子脚本『ロングバケーション』より。

・この小説で一番リアリティーのない箇所は?

 →柿崎が結婚式でエビの入ったシュリンプカクテルは残すのに萌と行く行きつけの蕎麦屋では天せいろを頼む場面。なぜなら海老天のない天せいろなど考えられないから。および、吉野家でお腹がすきすぎて味噌汁をおかわりするところ。そんなやつはいない。全体的に男の食べ物には神経が行き届いていない書きぶり。

 
次は
肩ごしの恋人』→『横道世之助』
間にGW企画もはさみます
 
to be continued…